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大学の茶道を振り返って②

 先生もよく仰っていましたが、大学での茶道経験は駆けるように終わっていきます。稽古に加えて団体維持のための事務作業や組織づくりも必要で、バタバタしているうちに気づいたらもう引退、という感じです。特にコロナ禍で稽古の回数が減ってしまった世代の私たちにとっては、茶の心や作法について未熟さを自覚するばかりの締めくくりとなってしまいました。でも、茶道はたったの数年で修まるものではないというのが私の考えです。上達するにはあと10年、20年、或いはもっとかかると思うし、私自身は今後もずっと続けてみたい・もっと学びたいという、寧ろこれまで以上の意気込みをもってこの3年間を終えました。こう思えるのも、一緒に頑張ってきた仲間たちとの思い出と、また、遊び心も込めて創造的に茶道を楽しむことを教えて下さった先生のご指導があったからと感謝しています。

 振り返ると、活動禁止等の大変な時期も、オンラインで交流を続けるなどの工夫を通し、皆の柔軟な協力のお陰で乗り切ってきました。2年前、先輩方に教わりながら楽しんだ学祭での茶会開催や他大学の茶会への参加も、短い期間でしたが経験できて自分の糧になりました。今少しづつ状況が落ち着いてきているので、これから後輩たちにもそういった行事や練習の機会が増えていったらいいなと願っています。

 慌ただしい大学生活の中で、席中だけはほっと一息、日常の煩い事を忘れ、目の前の道具・自らの動き・茶や畳の香り・湯の音に心を傾ける…そんな落ち着いた時間を与えてくれる存在が、私にとって大学時代の茶道だったのではないかと思います。


3年 Meg


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